総入れ歯?ブリッジ?

患者様:10年以上思えば放置してしまいました・・自分が悪いんです。おそらく上の歯は全部使えないと思います。
揺れもあるし、虫歯も大きいし・・ぼろぼろなんです。

ご年齢は63歳になったばかり、50代半ばに見える若々しく身なりもとても綺麗にされている素敵な方がそこで肩を落とし座られていました。

患者様:上の歯は総入れ歯を覚悟して来ています。
下は少しは残るのかしら・・上も下も義歯を作ろうと思って色々探していたのですが、こちらの義歯が一番綺麗で、また特殊な精密義歯が出来ると言うこと、そして説明を良くしてくれそうな感じでしたので、診てもらいに来ました。

本当に恥ずかしい・・こんな酷い人いないんじゃ無いですか?

これからどうしていくか、そこに焦点を当て一緒に1つ1つ進んで行けば必ず結果は出ます。

「私はいつも思います。人は完璧ではなく、そして歯だけ考えて生きているわけでも無いと。

どんなに頑張ってる、素敵な人格者や、自己管理の出来ている人でも、そして夢や、目標を達成して、なおかつ未だ努力を惜しまず前向きに進んでいる人であっても、歯をだめにしてしまっている人は少くなく・・

介護、子育て、仕事、その時々により・・優先順位が異なり、気がつけば自分の口腔内が・・・これほどまでに崩壊してしまっていることに気がつき・・こんなはずでは無かったと。

日々の雑踏の中で、もうそろそろ行かないと、本当にもうそろそろ行かないとと・・思い悩んでいる方々がどれ程多いかと・・

皆さんは、歯の専門家では無いのです、今まで歯のことに対する情報は生まれてからどれ程あったでしょうか。
母から、父から、今まで掛かった歯科医から・・本のごくわずかな情報しか無いのが日本の現状です。

その中から自分の立ち位置を適切に考え立ち回れる人はほとんどいないと思います。
だから・・今までの放置してしまったご自分を責めないで欲しいと・・

これからどうしていくか、そこに焦点を当て一緒に1つ1つ進んで行けば必ず結果は出ます。」

絶対に綺麗に治りますよ、ゴールを決めてそこから何をすべきか一緒に逆算しましょう。

絶対という言葉なかなか使いませんが大丈夫です、何種類かの方法で満足行くような治療結果を私には想像がついています。だから大丈夫なのです。何故なら私は今までの臨床経験上、一般的にな歯科医院における1本2本、部分的な治療だけを経験したわけでは無く、卒後、全顎的治療(上下ぼろぼろで、基準が無く1から全てを治さなければいけない様な症例)をメインで扱うような保険という枠にはとらわれない診療で治療に当たって来ましたのでゴール、またリスクがわかるのです。

5年、10年、20年色々経験はあると思います、20年でその様なケースは一般的にどれくらい扱うのでしょうか?正直なところ考え方、技術、訓練を積み、しっかりと勉強していかないと手を出すことは出来ないと思います。5年で特殊な環境ならどれくらい扱うのでしょうか、内容に裏付けされた経験であって欲しいと思います。何も考えのない目先の流れに任せた技術革新のない治療・・これでは30年経過したとしても見えてくる物はどうなのでしょうか。結果はどうなのでしょうか。

先生:ご自分で言われているほど私は酷くなっているとは思いません。根も長いし、骨も良い、歯周病の傾向もそれほど強いタイプの方ではないと思います。だから自身を持って下さい。
患者様:え・・自信・・そうなんですか・・私まだ何とかなりそうなんですか・・。
先生:ただ力におけるリスクは少なくないと思います。力・・今まで根本的に歯を失った原因です。少しその辺りのお話もいたしますね。

大きく2つ大事な観点からの物の見方があります。

歯のある方も、少ない方も共通してコントロールして行かなければ、歯を失う方向に行ってしまう、とても大事な切り口です。

1つは炎症、簡単に言うとまず知って頂きたいことは、炎症とは歯茎などから血が出たり、腫れていたりと言う現象です。これを防ぐためにはポイントは2つです。セルフケアとプロフェッショナルケアです。何かというと単純に歯ブラシ、歯間ブラシをして、3ヵ月に一回プロが磨き上げるという事です。

まずはお手入れが出来なければ何をやっても必ず同じ事を繰り返してしまうでしょう。この点に関してはまた詳しくお話しします。これが確立されれば、虫歯、歯周病の予防になります。

そして2つ目は力(パワー)のコントロールです。人は生命維持を優先として生きています。咀嚼は反射です。どう言うことかというと、意識とは違うところで本能で感じ咀嚼して栄養を得ようとします。生きるためにしっかりと噛み砕けて効率が最も良いところを人は瞬時に判断し使い続けます。

右の奥歯しかなければそこを集中的に使いますし前歯しか無ければそこを集中的に使います。痛いところは避けます。動くところも避けます。だから両サイドの奥でしっかりと分散してし噛め、咀嚼効率が良くなるような歯の修復をする。歯の本来持っている、きねと臼の関係をしっかりと作ると言うことです。

要は1本無くなっても他に負担が掛かるし、数本無くなったり、片噛みなどは早く手を打たなければどんどん加速度的に歯を失うと言うことになるのです。

そして後一つ忘れてはいけないのが夜寝ているときの歯ぎしり、噛みしめです。これは起きているときの十数倍の力で噛むと言われ、昼間の起きているときのストレスを夜無意識の時に解放していると言われてます、個体差はあれ人間は大なり小なりやっています。この力も欠損などがあればなおさら部分的に加重負担にして歯を失う方向性に向かいます。歯の全部そろっている人ですらこの力によって知覚過敏や、破折、神経組織を壊死させる事すらあります。

本来上下親知らずを入れなければ28本、14対の噛み合わせがあるのです。

先生:話をもどします。やはり今回は今お伝えしたように今上と下で噛み合っているところが2カ所くらいなので明らかに加重ふたんですね。本来上下親知らずを入れなければ28本、14対の噛み合わせがあるのです。
患者様:と言うことは私はだいぶ少なくなっていますよねそれを増やさないと先ほど言われてた力の面においての維持が出来ないと言うことですね。
先生:そうなんですその通りです。まずどの歯が残せて、どの歯が残せないか見極めて両方の奥で気兼ねなくしっかりと咀嚼できるところを作りましょう。

その方法論の一つとして特殊な義歯、ブリッヂ、インプラントがあるのです。そしてここで注意しておかなければならないのは天然の歯に勝る物は絶対にありません。もし何らかの方法で予知性良く天然の歯を残す事が出来るのであれば最大限残す事を考えた方が良いでしょう。今は部分矯正、顕微鏡治療、CTなど昔に比べると数段出来る事は増えています。

先生:最初に言われていた、義歯を入れたいと言われておりましたけど・・何故義歯なのですか?私はインプラントの可能性とかも考えても良いように感じますが、インプラントとかはご存じですか?もしかしたら今までに嫌なご経験とかありましたか?
患者様:いや・・私のようなぼろぼろの人はインプラントとかは出来ないと思って勝手に決め付けていました。少し恐い気もしますけど・・やろうと思えば出来るのですか?
先生:はい、CTなど詳細を検査してみればもっと詳しいお話が出来ると思いますが、そちらの方も視野に入れ考えてみましょうか?
患者様:是非そうしたいです。

とても声が明るく素敵な表情に気がつけばなられておりました。

先生:少しお伺いしたいのですが・・私の患者さんを治す目標は、これ以上ご自分の歯を失うこと無く守りながら、ご自分の歯でご飯をしっかり咀嚼出来る事、またしている様に感じることが出来る事です。歯だけが何百万年も保ってもしょうが無く、寿命より少し長く使えるくらいのやり過ぎない治療がちょうど良いと思います。お体とのバランス、費用対効果の加味された方向性を一緒に考えて行きたいと常に思っております。いかがですか?
患者様:私ももうこれ以上歯は失いたくありません・・絶対に・・かなうことであれば・・実は・・取り外しの入れ歯は使いたくなかったんです。
今回はちゃんと治したいんです、時間が掛かっても良いんです。先生にお任せしますので宜しくお願いします。私・・難しいことわからないので・・
先生:お任せはだめですよ、ご自分の大事な治療です、イメージできるようにお話して行きますので一緒に参加して下さい。家を買うのに全てお任せはしないですよね?とても大事なことです。

それではお口の外でも審査できるように模型を作るために型どりをさせて下さい。そして骨の状態を3Dで診ますのでCTを本日は撮影してお帰り下さい。又後日より具体的にお話して行きましょう。

こうして1日目が終わりました。

2日目

先生:こんにちはいかがでした?お痛みが出たりとかありませんでしたか?
この前のお話少し難しかったですか?
患者様:いいえそんな事は無かったですけど、やはりよく考えたら取り外しでは無いインプラントが良いなと思いました。だけど質問があるのですが・・
先生:是非何でもして下さい。言いにくいこと聞きにくいこと、聴いとかないとだめですよ。後でやっぱり聴けば良かったと言うことになりますから。隠すこともありませんし気兼ねなく聞いて下さい。
患者様:それでは、突然ですが・・・インプラントをしてマイナスな事はありますか?

マイナスなことですか・・そうですねマイナスと言うかどうかは少し考えさせられますが、外科的処置があります。全身疾患がある人などはバランスが大事です。

また、お手入れをしなかったりすれば今までと同じ結果になる事があります。虫歯にはなりませんが歯茎、骨はご自身のものなのでそこが感染を起こしたりすれば他の歯と同様骨が下がり歯周病のように膿が出たり、それを繰り返せば骨が下がり抜けてしまうと言うことやになります。正直天然の歯には歯根膜という膜が有り防御機構が備わっておりますがインプラントにはありません。

しかし何をして治すにしても毎日のケアと3ヵ月に一回のメインテナンスは全部歯がある人も行っていますので同じようにお手入れして貰うのが良いと思います。その他は固定性の修復物になるので大きく欠けてしまったりしたら上の被せ物は外してやり替えないとだめです。一生持つものは無いと根本的に考えて下さい。

だからといって直ぐにだめになるものではありませんが現状を知っていて下さい。歯科医院によっても異なりますが、世界的なインプラントの累積成功率は10年で95%以上という報告もあります。上の骨で92~94%、下の骨で95~98% とかなり高い成功率が得られています。

これには術前にCTによる確実な診査・診断、術者の技術、インプラントの品質、お口の状態などが複雑に絡んできます。インプラントのメインテナンスが適切に行われていると、10年後は90%が十分機能していると言うことができると思います。

ただし、骨粗鬆症、糖尿病、喫煙、歯周病、歯ぎしりなどにより、予知性を左右する事があります。これらの影響により、メインテナンスをきちんと受けている場合でも、インプラントの経過が思わしくない状態になることもあります。

悪くなるには段階があります。その段階に合わせてしっかりと考え、対応が後手後手になるのを防いでいくことが大事です。骨を失いすぎて次の選択肢を無くしてしまう様な事の無いように。

最悪のケースとしては、撤去して直ぐに同じように埋入して行くことも1つだと思います。そこまで想定して計画を立てておくべきです。 例えば、入れることが目的で撤去を想定していないような危険な場所にぎりぎり埋入してしまうなどは避けたいところです。

いろいろとお話ししましたが全容、最悪の筋書きと、通常の事をイメージしておいて欲しいのです。想定内に・・して欲しいです。

長々とお伝えしましたが魔法は無いのです。原因があり、結果があります。そして人は毎日の生活において体にいろいろな負荷を掛そして変化しています。1年前まで健康で大丈夫だからと言って一生大丈夫な事は無いですよね、歯だけは大丈夫なんて図式はありません。

先生:しかしこれらを踏まえ長期的な予知性、ご自分の思いを叶えられる修復物を選択し共に守って行くことを考えたいです。想いをお伝え下さい。
患者様:なるほど・・魔法は確かに無いですよね何においても・・。私たちには想像がつきません、初めての経験ですし、良いことは星の数ほどインターネットに載っていますが判断が正直つきません・・ただ何となく入れた後も手放しではいられないと言うことはわかりました、最初に言われていた外科的な処置と聞くと恐いのですがどの様な感じでしょうか?

今回の埋入のケースであればさほど通常の歯科治療と患者さんとして変わることはありません。麻酔も虫歯の治療と同じものですし、量もほぼ一緒です。麻酔がしっかり健康な組織なので効きますので術中のお痛みなどはありません。術後その日位は痛み止め1つ飲んではいかがですか?と提案致しますが次の日からは気になれば飲んで下さいとお伝えします。8割位の方は飲まなくて良いくらいだったので飲みませんでしたといわれます。

歯ブラシは術野以外はしっかりとして下さい。硬いものは反対側で食べて下さい、普通のものが行くくらいであれば大丈夫ですよ。ただあえて激しい運動や体を温めることは避けて下さいと、抜歯と同じ様な事を言います。痛みで寝られないとか、お仕事に行けないとか、生活に支障が出ることはありません。大きく骨を移植したり、多数歯に渡り一度にかなりの本数を埋入されるとかになれば当然腫れとかも出ることはあります。その様なケースはご説明しております。

患者様:では私はそれほど気にしなくても出来そうな感じなのですね。なんか少し肩の荷が下りたような気がします。やはり取り外さなくて良いし、恐いのは少しありますけどなんだか勇気が出てきました。CTの結果インプラントで治療できそうですか?

結論から言うと出来ます。何故出来るかと言うと、ご自身で真剣に歯のことについて考えられている事、お体も健康で疾患をお持ちではありませんし、お煙草も吸われて無いこと、骨の状況も幅、高さ、密度共に申し分ないですし、下の顎において気を付けなければならない神経、血管もかなり離れたところにあります。

そして上の顎においてもしっかり骨が残っていますので問題ないです。また、歯石などは付いていますがブラッシングの状態も良好ですので、もう少し気を付けて磨くポイントなど埋入前にしっかりとお話させて頂き処置をしてからとなりますが適応症と考えます。

ただ知っていて欲しいこと一番最初に望まれていた特殊精密義歯(コーヌス・クローネ)この手法はとても良いことは間違いないです。実は取り外しをしないで、小数のインプラントと併用する事により義歯としてでは無く固定された歯のように治すことが可能なのです。

最大の利点は(違いは)私たち歯科医師が定期検診の時、または修理が必要なとき、設計を変更しなければならない時に壊さずに外すことが出来るのです。要は長期的な修復物、口腔内の変化に容易に変更、修正が出来ると言うことです。またインプラントも今回は8本必要なところを、5本必要なところを、1本で可能になるのです。お体の侵襲はかなり少ないと言えるのでは無いでしょうか。

患者様:そうなんですね・・しかし入れ歯は・・気持ち悪いんじゃ無いでしょうか?

コーヌス・クローネ インプラントで治した歯の形と全く変わらない形ですよ。義歯ではなく、ブリッヂという考え方になります。

ご想像なさっているのはピンク色の人工の歯肉の付いた入れ歯がお口のなか全体を覆うようなものを想像されていますか?その様なものは全く付きません。この様な感じです。

患者様:そうなんですね・・確かに普通の被せ物のですね。
それでは数も少なくて良いし修理、変更がしやすいなら
なんかこちらの方が安心かもしれないです。

先生:それでは徐々に最終の形が見えてきたところで次回念のためインプラントで全て治すケースと、コーヌス・クローネ併用のケースとお見積もり出しておきますね、言った言わないになることや、当医院では勢いでやってしまうことを避けるために形にも残しながら患者さんのご意志を確認しながら進めて行かせてもらっております。
またご意見ご質問あれば聞いて下さいね。
患者様:最後にもう一つ聴いても良いですか?

少し聞きにくそうに言われていました・・

先生:どうぞどうぞ。
患者様:この治療法はとても良いのであれば世の中にもっと広がっているはずなのに、あまり聞いた事が無いのですが・・先生はどれ程やられたことがあるのですか?
先生:なるほどそうですね・・

コーヌス・クローネ 元々はコーヌス・クローネ自体はドイツが発祥の治療法で、1980年頃からある治療法です。一時期日本でも流行、さっと引いた感じです。今でもしっかりやられているところはやられていると思います。

とても精度が求められるのと、トラブルが出たときの対処法があまり知られてはいなかったようで一気に下火になりました。言い換えれば技術力の無いところで作るべきでは無いとも言えます。十数年来一緒に修復物を作って下さる技工士さん達の技術力、医療哲学におきまして間違いなく1流です。

コーヌス・クローネ 良くやることですが、半日くらいで一気に上下噛めなかったり、歯が無い人など満足行く仮歯まで入れる事を一緒にコラボレーションして行います。お困りのところを即座に何とか出来るのです。とても喜ばれます。もうこれで良いんじゃ無いの?と・・そして私がコーヌスクローネとして携わった数は3桁、15年以上ですのでご心配には及ばないと思います。

またコーヌス・クローネにおきまして歯科の専門誌ではありますが、情報を連載で発進して行くような試みもしておりますのでよりご満足行くものを提供していけると思います。

患者様:変なこと聞いてごめんなさい・・
先生:いえいえ聞いて下さい、隠すこともありませんし。その後聞いとけば良かった・・本当は・・どうなのだろう・・悩みの種になってしまいますから・・しっかりご理解頂進めていきたいので最初が肝心ですよ。どうか変な遠慮はなさらないで下さい。ご自身の歯を治すのですから。
患者様:そう言って頂けると聞きやすいです。有り難うございます。では今度から先ほど言われてた
インプラントとの併用特殊ブリッヂでお願いしたいです。もう考えること無いと思います。
先生:わかりました、その様に進めて参りますね。次回はもう一度意思の確認と、ご質問など、そして進め方のご相談と、仮歯の形どりになります。緊張なさらないでいらして下さい。綺麗になりますから、楽しみに待っていって下さい。

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